破産手続廃止後又は破産手続終結後の破産債権者表の記載の効力

関連条文

破産法221条

破産法
(破産手続廃止後又は破産手続終結後の破産債権者表の記載の効力)
第二百二十一条 第二百十七条第一項若しくは第二百十八条第一項の規定による破産手続廃止の決定が確定したとき、又は前条第一項の規定による破産手続終結の決定があったときは、確定した破産債権については、破産債権者表の記載は、破産者に対し、確定判決と同一の効力を有する。この場合において、破産債権者は、確定した破産債権について、当該破産者に対し、破産債権者表の記載により強制執行をすることができる。
 前項の規定は、破産者(第百二十一条第三項ただし書の代理人を含む。)が第百十八条第二項、第百十九条第五項、第百二十一条第四項(同条第六項(同条第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)又は第百二十三条第一項の規定による異議を述べた場合には、適用しない。

破産法221条の趣旨

本条は、異時破産手続廃止決定もしくは同意破産手続廃止決定が確定し、または破産手続終結の決定があったときに、破産者との関係においても、確定した破産債権についての破産債権者表の記載が、破産者が債権調査等において破産債権の額に対する異議を述べなかったことを条件として、確定判決と同一の効力を有することを定めるものである。

伊藤眞ほか『条解 破産法(第三版)』1523頁(弘文堂、2020)
男性弁護士
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 この条文と似た条文として破産法124条3項があるけど、124条3項は破産債権者表の記載について破産債権者との関係で不可争的な拘束力を認める規定であるのに対し、221条は破産者との関係で確定判決と同一の効力があるものとして、強制執行ができる点に意義があるとされています。

 そのため、破産者が債権調査等で破産債権の額に対する異議を述べていないことが要件のひとつです(破産法221条2項)

破産法221条が適用される要件

要件

  1. 異時破産手続廃止もしくは同意破産手続廃止が確定し、または破産手続終結の決定があったときであること
  2. 破産債権が確定していること
  3. 債権調査において破産者が異議を述べていないこと

同時破産手続廃止の場合に破産法221条が適用されるか?

同時破産手続廃止の場合には債権確定手続きを経ていないから本条の適用がないのは当然である。

伊藤眞ほか『条解 破産法(第三版)』1524頁(弘文堂、2020)
男性弁護士
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 破産手続開始申立書(同時廃止用)を提出する際に「債権者一覧表」を提出しますが、この「債権者一覧表」は破産法221条1項の「破産債権者表」とは違いますのでご注意ください。 
 同時破産手続き廃止の場合には破産法221条1項の適用はありません。

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